言うなれば自由大学は、プールの跳び込み台みたいなものなの。
勢いよく走って思いっきり遠くへ飛んでもいい。新しい世界へ大きくジャンプしてもいい。小さなところで実験しながら挑戦していってもいい。跳ばなくてもいい。
跳ぶかどうかは自分次第だし、その先どこの世界へ行くかも自分次第。自分の足で踏み切って、空中の感覚を味わって、ちょっと怖い思いもして飛び込んだ先には、今まで体験したことのないような世界がきっとある。だから、大きく飛びたい人には思いっきり飛べるような環境を一緒になって創るし、背中を押してほしい人にはそっと背中を押すフリをするのだ。
そして、自由大学は、愚かでありたい。なんだかちょっと笑える、そんな空気を大切にしたい。リラックスした会話の中の、ふとしたことがきっかけとなって、視野が広がったりして、「そっちもあるよね」という新たな可能性を見せてくれると信じているから。
いろいろな道があるけれど、私たちはこっちから行こうと思う。復興クラブも東北復興学と一緒にさらに新しいアクションを起こし、クリエイティブ都市学ではポートランドやストックホルムに短期流学に出かけ、世田谷パン祭りで世田谷パン大学をプロデュースしたり、いろいろな講義からZINEが出来たり、卒業生があちこちで自発的に学びを生かしたいろいろなイベントを開催している。
学びはもはや、教室のなかだけに留まらず、自主自立のジャンプが同時多発的に渦巻く状況になってきているのだ。そして2013年はメディアも創り、本も出す。さらに面白い大人たちが自由に突き抜けていく、そんな状況がこっちでは巻き起こってるよ。
大きく学び、自由に生きるための学びの場。ITや出版・農業・ファッションに未来の働きかたなど、時代が求める様々なテーマを講義化し、2009年の開校以来4000人を超える人が学びに訪れ、ここから飛び立っています。2012年は、IID世田谷ものづくり学校、IKI-BA、みどり荘の3つのキャンパスで、27の新講義を含む55種類141の講義を開講しました。
和泉里佳 (自由大学学長)